under blue sky



under blue skyは、イスラエル、ホロン市に夏季限定で設置された、公共空間の日除け及びドライミスト噴霧設備で、赤道近い夏の強い日差しにより使用が困難となる夏季の都市広場に、局所的に冷却効果をもたらしながら、同時に新しいアクティビティーを誘発する装置として機能することが意図された。

同構造体は、極力経済的に大空間を覆うため、直径3mmのステンレスワイヤーロープが貫通した農業用メッシュのストライプが、平均22.5mのスパンで鉄骨の間に架け渡され、その際に重力によって自然と形成される懸垂線をシミュレーション上で計算、意匠的に好ましいプロポーションの懸垂線が現れるよう、一本ずつすべて異なる長さのメッシュストライプが定義されている。
同プロジェクトのような軽量構造体では、通常重力より風荷重への対応がシビアであり、同地域における風速データを元に最大どの程度の荷重が働くかを確認、スパン・メッシュストライプの分布を調整した。この際メッシュストライプに生じる膨大な引張力は、メッシュが取り付けられた梁を介してH字型の門型フレームに伝えることで、十分なフレーム幅の確保によりメッシュストライプからの引張りに抵抗しつつも、視覚的には構造的な力の流れがメッシュ面内で完結しているような軽快な印象を保つよう工夫した。

/////
“under blue sky” /Holon, Israel, 2015 © Toshikatsu Kiuchi + Studio AN+ (Natanel Elfassy & Avital Gourary)
用途: 公共空間の日除け+ドライミスト噴霧設備 構造: 佐藤淳構造設計事務所